刑事事件の流れ

刑事事件の一般的な流れは以下のようになります。

刑事事件の流れ

 

事件の発生

事件の発生とは、刑事犯罪に該当する事実が発生することです。例えば、窃盗、強盗、詐欺、恐喝、暴行、傷害に該当する行為が行われて被害が発生した状態がこれに当たります。犯罪行為が発覚していなかったとしても、罪となる事実が発生していることに変わりはありません。

 

捜査の端緒と捜査の実行

捜査の端緒とは、捜査機関が捜査を開始するきっかけのことをいいます。例えば、被害者や第三者からの通報、告訴・告発、職務質問、犯罪の現認、自首等が捜査の端緒となります。

警察は、被疑者・第三者の取調べ、捜索・押収、実況見分・検証といった捜査権限を行使して証拠を収集していきます。

 

身柄事件と在宅事件

捜査が開始されると、被疑者は逮捕・勾留されることがあります。

被疑者が逮捕・勾留されたまま捜査が進む事件を身柄事件といい、逮捕・勾留されずに捜査が進む事件を在宅事件といいます。逮捕・勾留をするかどうかは捜査機関(警察官、検察官)が判断します。

 

捜査の終結と検察庁の処分

警察の捜査が終了すると、検察が捜査を引き継ぎます。ただし、検察の捜査は補充的なものに止まるのが通常です。捜査が終結すると、検察官が被疑者を起訴するか、起訴しないかを決定します。不起訴になると刑事手続から離脱することになります。別件の捜査が同時並行で進められているような場合は別ですが、不起訴になると後になって起訴されることはまずありません。

 

微罪処分

警察が捜査した事件は検察官に送致されるのが原則ですが、例外的に警察段階で刑事手続から離脱させることが認められています。これを微罪処分といいます。微罪処分になるのは窃盗罪や占有離脱物横領罪などの財産犯が中心であり、被害が軽微なものに限られます。

 

起訴の種類

起訴には、公判請求、略式命令請求、即決裁判請求の3つの種類があります。被告人はこれらの請求に応じて、それぞれ公判手続、略式手続、即決裁判手続に従って裁判を受けることになります。

公判手続は、公開の法廷で行われる通常の手続のことです。

略式手続は、書面審理で罰金・科料を科す手続です。

即決裁判手続は、起訴からできるだけ早い時期に公判期日が実施され、原則、1回目の期日で執行猶予判決が言い渡されるものです。

 

<起訴後の手続の違い>

  公判手続 略式手続 即決裁判手続
手続 通常の審理 書面審理 簡略化された審理
被疑者の同意等 不要 異議がないこと 同意が必要
判決内容 制限なし 罰金又は科料 執行猶予付判決
メリット 手続保障が充実 早期の解決・釈放 早期の解決・釈放
デメリット 時間がかかる 検察証拠のみで認定 証拠調べが簡略
不服のとき 控訴・上告できる 正式裁判を請求可 不服申立ては不可

裁判の成立

起訴の後、裁判所による審理を経て裁判が成立します。公判手続では判決宣告、略式手続では略式命令(罰金又は科料)、即決裁判手続では執行猶予判決が成立します。

判決宣告の場合、裁判官が公判廷において判決の主文と理由を朗読して宣告します。判決する場合、判決書が作られるのが原則ですが、例外的に省略されることもあります。

 

控訴・上告

公判手続の判決宣告に対して不服がある場合は14日以内に限り控訴を提起することができます。控訴すると高等裁判所において再度、審理が行われ判決が下されます。控訴審判決に対して不服がある場合は14日以内に上告することが可能です。

 

判決の確定

不服申立てが可能な期間に不服申立てをしないと、以後、不服申立てによって判決を争うことができなくなります。この状態を判決の確定といいます。

 

裁判の執行

裁判の執行とは、裁判の内容を国家が強制的に実現することをいいます。例えば、懲役刑が執行されると、被告人は刑事施設に拘置されることになります。執行猶予とは、文字通り刑の執行を猶予(おこなわない)ことを意味しており、懲役刑に対して執行猶予が言い渡された場合、新たに罪を犯すなどして執行猶予が取り消されない限り、被告人が刑事施設に拘置されることはありません。

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