ご依頼・ご相談別-前科をつけたくない

前科の意味

前科とは、有罪の確定判決を受けた経歴です。

似た概念に前歴というものがありますが、前歴とは被疑者として捜査機関の捜査対象となった経歴をいいます。非行歴は、未成年者が罪を犯した場合に検挙された経歴をいいます。少年の場合は通常、少年審判を受けることになるので非行歴は前歴として扱われることになります。

 

前科がつくことによるデメリット

執行猶予の欠格事由となる

禁錮以上の刑の前科がある場合、執行猶予を受けるための要件のハードルがあがります。すなわち、何らかの罪を犯したとしても前科がつかなかった場合、次に別の罪を犯したときに執行猶予との関係では、「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」(刑法25条1項)として扱われます。

これに対して、禁錮以上の前科がある場合、「前に禁錮以上の刑に処せられたことがある者」として扱われるので、執行猶予がつくためには、実刑の前科の場合は刑の終了から5年以上を経過している必要があります。執行猶予付の前科の場合は、言渡を受ける刑が1年以下の懲役・禁錮であり、かつ、情状に特に酌量すべきものが必要とされます。

このように前科があると、執行猶予を付けるための要件が重くなります。

 

累犯の関係を生じることがある

懲役の前科がある場合、刑の執行終了から5年以内にさらに罪を犯して有期懲役に処せられるときは再犯として刑が加重されます。

 

資格制限を受ける

前科があると一定の資格の制限を受けることになります。

前科の内容 資格制限の内容 制限対象
罰金以上 刑の言渡しの効力が失われるまで裁量的に欠格事由となる 医師、歯科医師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、保健師、助産師、救命救急士、臨床工学技士、義肢装具士、柔道整復師、視能訓練士、言語聴覚士、調理師
禁錮以上 刑の言渡しの効力が失われるまで欠格事由となる 裁判官、検察官、弁護士、弁理士、民事調停委員、家事調停委員、裁判員・補充裁判員、精神保健審判員、検察審査員、保護司、学校の校長及び教員、教育委員会の委員、中央競馬の調教師、騎手
禁錮以上 刑の執行終了又は執行を受けることがなくなった後、一定期間を経過するまで欠格事由となる <2年間>
社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、旅客自動車運送事業者、一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者、一般信書便事業者・特定信書便事業者、通訳案内士、海事代理士、倉庫業者
<3年間>
公認会計士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、質屋、火薬類製造業者・販売業者
<5年間>
貸金業者、宅地建物取引業者、一般建設業者、建築士、商工会役員、警備業者、筆界調査委員、認証紛争解決事業者、探偵業、風俗営業者、古物商、一般労働者派遣業者、有料職業紹介事業者
禁錮以上 刑の執行終了までまたは系の執行を受けることがなくなるまでの間欠格事由となる 国家公務員・地方公務員(一般職)、自衛隊員、人権擁護委員、郵便認証司、商工会議所の会員
公職選挙法違反で罰金以上 刑の執行終了・執行免除から5年間(執行猶予の場合は猶予期間中) 公職選挙法に規定する選挙権及び被選挙権
禁錮以上又は旅館業法違反で罰金以下 刑の執行終了又は執行を受けることがなくなった後、3年間 旅館業

 

 

社会的な不利益

会社員の場合は、前科が就くことで就業規則に基づく懲戒処分を受けるリスクがあります。また、就職や転職を希望する者にとっては、前科があることによって採用のハードルが高くなるというデメリットがあります。会社や事業を営む者にとってはレピュテーションリスクを招き事業の執行に多大な不利益を及ぼすことも考えられます。

 

前科をつけたくない方がやるべきこと

捜査が開始される前に示談する

刑事事件の多くは、被害者等が被害事実を警察に申告することによって開始されます。したがって、被害届、告訴、告発等の前に被害者と示談を成立させることができれば、事実上、刑事責任の追及を免れることができます。

しかし、刑事責任を追及される可能性のある者が自ら示談を成立させるのは通常、困難です。被害者が怖がって交渉に応じてくれないこともあります。交渉に応じてくれたとしても、処罰感情が強い場合、加害者本人が前面に出ることでますます被害者の態度を硬化させてしまうこともあります。無理に示談を成立させようとすれば、証人威迫、罪証隠滅を疑われてしまい、捜査が開始された後で悪い情状として考慮されることになりかねません。また、被害者側から法外な金品の要求を受けて対応に苦慮することもあります。

以上のように刑事事件の加害者が被害者との間で行う示談交渉は、非常にデリケートな問題なので、弁護士に相談してから進めるのがよいでしょう。

 

不起訴を目指して弁護活動に取り組む

被害届が出されてしまうと警察官の捜査を経て、事件が検察官に送致され起訴・不起訴のいずれかの処分を受けることは避けがたくなります。

このような場合は、不起訴を目指した弁護活動に取り組むことになります。

不起訴となる場合には、いくつかの類型が存在しますが、重要なのは起訴猶予による不起訴と嫌疑なしによる不起訴です。

起訴猶予による不起訴を目指す場合は、罪を犯したことを認めたうえで情状弁護に力を入れることになります。示談の成立が最も重要ですが、それ以外にも反省の態度や身元引受人の確保、職業や住居の確保、悪い人間関係の解消など犯罪の温床たり得る環境の改善に取り組むことになります。

嫌疑なしによる不起訴を目指す場合は、罪を犯したことを争うことになるので、場合によっては完全黙秘を貫いたり、無罪の証拠を積極的に捜査機関に提出したりします。

いずれにしても弁護士の弁護を受けることが重要ですので、できるだけ早く刑事事件に精通した弁護士に相談するのがよいでしょう。

 

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