不倫・不貞の慰謝料を請求されたときに弁護士に依頼するメリットにどんなものがあるか説明いたします。
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メリット1 妥当な慰謝料の金額を把握できる
不倫・不貞の慰謝料請求をされた場合に疑問に思うのは、慰謝料の妥当な金額はいくらなのかということでしょう。慰謝料の金額としていくらが妥当なのか法律には明確な基準はありません。しかし、事実上、慰謝料の相場というものは存在します。それは、過去の同じような事案における裁判例の傾向から読み取れる金額のことです。したがって、相手から請求された金額が過去の裁判例の傾向と比較して明らかに多額であれば、減額を求める有力な理由になります。しかし、そのためには、過去の裁判例の傾向を把握して、自分自身の事案がどれに近いのかを判断する必要がありますが、これは弁護士でなければ困難な作業といえます。
メリット2 慰謝料の金額を減額できる可能性がある
メリット1で述べた慰謝料の相場よりも高い金額を請求されている場合、弁護士に依頼すれば、過去の裁判例の比較からその金額が高額であることを指摘してもらうことができます。
慰謝料の相場どおりの金額を請求されている場合でも、お金がなくて支払いができないということがあると思います。そのような場合、単にお金がないと回答するだけでは減額は困難なことが多いと思います。経験豊富な弁護士に依頼すれば、支払方法(一括か分割か)、支払期間その他の条件について調整してもらうことで結果的に慰謝料額を減額できることもあります。
メリット3 相手と直接話をしないで済む
不貞相手の夫や妻から直接、慰謝料請求を受けているような場合、感情的になっている相手と話をするのは精神的にも肉体的にも辛いことです。また、相手が弁護士を通じて慰謝料請求をしてきたような場合、法律の専門家を相手にどう対処するのが正しいのか悩んでしまうことでしょう。
もし、弁護士に依頼すれば、相手や相手の弁護士との交渉は全てあなたの弁護士が代わりに行います。したがって、依頼をしたその日からあなたは直接相手や相手の弁護士と話をしないで済みます。
メリット4 早期解決を図ることができる
当事者本人だけで交渉をしている場合、法律知識が存在しないために法的な観点から妥協点を見いだすことが難しい場合があります。また、当事者同士では感情的になってしまうために、脱線しやすく解決に向けて話を進めることができないこともあります。
このように当事者本人同士で慰謝料の交渉を行っている場合、議論が堂々巡りとなって不必要に交渉が長期化してしまうことがあります。
弁護士に依頼した場合、速やかに法的観点から妥協点を見いだすことができますし、解決を目指して話を進めるので、早期解決につながることがあります。
メリット5 相手による名誉毀損、脅迫を回避できる
不倫・不貞相手の夫や妻は、感情的になって不貞の事実をこちらの職場や家庭に触れ回ったり、職場や家に訪ねてきて恫喝したりすることがあります。また、慰謝料を支払わないとこうした行為に及ぶと脅迫してくることもあります。
このような行為の多くは違法行為に該当します。弁護士に依頼すれば、適切な方法で、相手に警告することができるので、示談交渉の過程で自分の名誉等が侵害されることを未然に防止することができます。
メリット6 紛争の蒸し返しを防ぐことができる
あなたが、示談を成立させて慰謝料を支払った後で、「あれは慰謝料の一部に過ぎなかったので、残りを支払ってほしい。」と言われたらどう思うでしょうか。こんなことは不当だと思うでしょう。しかし、相手があくまで残金の支払いを求めてくるのであれば、あなたはその残金を支払うべきかどうかという示談交渉をせざるを得なくなります。これが典型的な紛争の蒸し返しの例ですが、これ以外にも一方は解決したと思っていても、他方は解決したと思っていないということは意外に起こりえることです。
弁護士に依頼すれば、示談が成立する前にそうした食い違いが生じないように確認してもらうことができますし、紛争の蒸し返しを防止できるような定めを示談書や和解書に記載してもらうことができます。
メリット7 調停や裁判などに備えることができる
示談交渉が決裂した場合、通常は相手から調停や裁判が申し立てられることになります。もし調停や裁判になってしまっても、弁護士に依頼しておけば、示談交渉中にうっかり裁判や調停で不利になる言動を取ってしまうことを回避できます。また、裁判で重要な証拠が何か事前に把握できるため、ゆとりをもって証拠の収集、保全ができます。さらには、「最悪、裁判になってもいいや。」と思えることで、不本意に示談することを回避できます。