このページの目次
慰謝料請求をされた方の心構え
ある人と男女交際をしていたところ、ある日、突然、弁護士から手紙が送られてきたり、不貞相手の夫や妻から電話がかかってきたりした場合、どう対処するべきでしょうか。
普通の人は、慰謝料という言葉を聞いたことはあっても、実際に自分が慰謝料請求をされると、どうしたらいいのか分からずに焦ってしまうのではないでしょうか。不貞相手の夫や妻はとても感情的になっていて、その迫力に圧倒されてしまうかもしれません。弁護士からの手紙には、慰謝料としていつまでにいくら支払うようにとあるがそれに従うのが正しいのかどうか分からないのではないでしょうか。こんな時に、どういう心構えで臨むべきでしょうか。
まずは、落ち着きましょう!
慰謝料請求をされたからといって、即座に瞬間的に反応しなければ取り返しが付かない、ということはまずありません。どうしたらよいのか分からなければひとまず、何もしなければいいのです。そして、落ち着きましょう。突然電話がかかってきてしまった場合には、礼儀正しく相手の話を聞いて、自分からは何も情報を発信しないようにするべきです。相手は、不倫や不貞を認めるか迫ってくるかもしれませんが、対処方法が決まるまでは不倫や不貞を認めることも、否定することも避けた方がよいと思います。
そして、すぐに慰謝料問題に詳しい弁護士に相談するのがよいでしょう。そして、必要とあれば早期に弁護士に依頼するべきです。
早期に弁護士に依頼するべき理由
早期に弁護士へ依頼することのメリットは多々ありますが、その中でも以下の3つは大きなメリットと考えられます。
早期依頼のメリット~その一
第一に、早期に弁護士に依頼することによって、早期に精神的な落ち着きを得ることができます。
経験豊かな弁護士に依頼することで、今後自分にどのようなことが起こりえるのか予想できるようになります。予想できるというのはリスク計算ができるということであり、漠然とした不安が払拭できるので精神的に落ち着くことができます。弁護士に依頼することが遅れると、いつまでも思い悩むことになってしまいます。場合によってはうつ病になったりして仕事や生活に悪影響が及ぶかもしれません。これを回避するためにも早期に弁護士に依頼することが重要です。
早期依頼のメリット~その二
第二に、早期に弁護士に依頼することで、取り返しのつかない間違いを避けられるというメリットがあります。
例えば、慰謝料請求をされた場合、まず不倫や不貞の事実を認めるべきかどうかという問題に直面しますが、一度、不倫や不貞の事実を認めてしまうと、後からこれを撤回することはできません。だからといってどんな場合でも否定しておけばよいというわけでもありません。明らかな証拠があるのに否定し続けることは相手を怒らせることになってその後の交渉を困難にしてしまうからです。
また、要求された金額に対して一度これを支払うようなことを言ってしまうと、その後交渉によって金額を減額することは難しくなります。
このように慰謝料の交渉においては、一度間違った対応をしてしまうと取り返しの付かないことになることも多いので、早期に弁護士に依頼することが重要です。
早期依頼のメリット~その三
第三に、弁護士を窓口にすることで早期に日常生活へ戻ることができるというメリットがあります。
慰謝料請求をされるというのは人生の重大事だと思います。通常は、慰謝料請求をされたその瞬間からそのことで頭がいっぱいになってしまい、仕事や家事が手につかなくなってしまうのではないでしょうか。次に何が起きるか常に緊張して身構えていなければならないとすれば、生活が慰謝料一色になってしまいます。
しかし、仕事や家事、人生のイベントも待っていてはくれません。慰謝料請求をされているという状態は、日常生活の大きな足かせとなるはずです。しかし、弁護士に依頼すれば、弁護士が代わりに示談交渉をしてくれます。弁護士に依頼した瞬間から、ほとんどのことは代わりに弁護士が行ってくれます。そうして、ご本人は自分の日常生活へと戻っていくことができます。これが早期に弁護士に依頼することのメリットの3つ目です。
弁護士として慰謝料請求への取り組み方
慰謝料請求をされるということは、通常は、その方が不倫や不貞を行っていることが多いと思います。
不倫・不貞行為は、法律的には違法行為であり、道徳的にも非難される行為なのは間違いありません。しかし、不倫・不貞行為といってもその内容は千差万別です。
例えば、相手が既婚者だと承知のうえで交際していた場合、相手に騙されていて既婚者だと知らなかった場合、再婚まで見据えた真剣交際の場合、単なる遊びの場合など、一つ一つ事情が異なります。
当事務所は、慰謝料請求をされた方から依頼を受けた場合、不倫・不貞行為=違法(悪)と単純に考えることはしません。不貞行為の慰謝料請求をされた方にも、その人なりの言い分や具体的な事情が存在します。当事務所では、慰謝料請求をされた方の気持ちに寄り添うことを大切にしています。また、慰謝料請求をした側の気持ちにも配慮するようにしています。慰謝料請求を受けた方にとっての真なる解決とは、単に慰謝料額を減額することではありません。慰謝料の請求をした人もされた人も関係者全員が納得できる解決を導いて、全員が未来に向かって前向きに進んでいけるようにすることが当事務所の役割だと思っています。